社会福祉法人の介護施設や保育所を受けるとき、履歴書での志望動機の書き方って迷いますよね。
「株式会社や医療法人、有限会社などの施設を受ける時と違って、特に意識することはあるの?」
と疑問に思う方もいると思います。
そこで、この記事では社会福祉法人の志望動機を作る上でのポイントを解説します。
社会福祉法人とは高齢者、子供、障害者などの生活を支える福祉サービスを提供する非営利団体です。
運営する施設は、介護施設や保育園のほか、児童養護施設、更生施設などさまざまな種類があります。
厚生労働省HPでは
社会福祉法において社会福祉法人とは、「社会福祉事業を行うことを目的として、この法律の定めるところにより設立された法人」
引用:厚生労働省 社会福祉法人の概要
と定義されています。
全国社会福祉法人経営協議会が作成した、社会福祉法人についてわかりやすく説明された動画があります。
興味のある方はご覧になってくださいね。
志望動機は利用者さんに貢献したいという想いと、なぜこの施設・法人なのかという理由を伝えることが大切です。
社会福祉法人の他に、介護施設や保育施設などを運営する法人としては、
などがありますが、志望動機の基本的な考え方は全て同じになります。
なぜなら、どの運営法人であっても、利用者さんのために施設を運営している点では共通しているからです。
例えば、
が主な目的となります。
介護施設では「利用者さんになぜ、どのように貢献したいか」保育施設では「子供たちになぜ、どのように貢献したいか」に焦点を当てて志望動機をつくれば良いのです。合わせて、数ある施設の中でなぜこの施設を志望するのかという理由が伝えられれば良い志望動機になります。
社会福祉法人と医療法人は非営利法人で公共性が高いため、地域社会などに貢献したい想いを合わせて伝えると、さらに印象が良くなります。
それでは具体的に志望動機の書き方についてみていきましょう。
を介護職(転職)、新卒、事務職パターンに分けてご紹介しますね。
この記事では、介護職の志望動機を例に挙げてご紹介します。考え方はそのほかの社会福祉法人も同じですので、うまく参考にしてください。
介護施設に転職するときの志望動機のポイントは次の3つです。
「なぜここの事業所で働きたいのか」
このことを伝えるには事業所の情報収集が不可欠です。
ホームページ等で法人の理念や事業内容等が確認できます。その法人の理念や具体的な制度、地域で行っている活動などを必ず確認し、志望動機に盛り込みましょう。
自分を雇うことで、その施設にどのようなメリットがあるのかを伝えることも大切です。
介護職としての自分のスキルや経験も盛り込み、志望する事業所でどのように貢献できるかを伝えましょう。
自己PRも合わせて施設に提出する場合は、志望動機欄でのスキルや経験の説明は最小限にとどめて、自己PRのところで詳しく触れると良いです。
「なぜ介護職として働いているのか」
の説明で、介護の仕事に対する熱意と自身の人柄をアピールしましょう。
介護職は感情労働と言われることもあり、採用する側は志望者の人柄をとても重要視しています。
過去のエピソードなどを紹介し、採用する側の印象に残るよう自分の誠実さを伝えると良いです。
※前職の職理由の伝え方については別の記事で紹介しています。興味のある方はぜひ見てください!
【介護職の本音】男女別の退職理由トップ5・職場への正しい伝え方を教えます
私は貴社(口頭の場合は御社)の利用者様への支援方針はもちろん、認知症カフェや買い物支援活動など、地域に向けての幅広い活動に興味を持ち入社を希望しました。
目の前の利用者様の支援はもちろん大事ですが、社会福祉法人として地域の方々への貢献は今、社会から求められていることです。
前職のデイサービスの勤務では食事・入浴・排泄の基本的な介護はもちろん、レクリエーションなどを通じて高齢者に対しての多様なコミュニケーション方法を学んできました。
現場での介護、また地域の方々との関わりの中で自分の経験を活かし、よりたくさんの人たちと繋がっていきたいです。
また、私は子供の頃、両親が共働きだったため、祖父母と関わる時間が多くありました。そのためか高齢者と関わることに抵抗がなく、むしろ安心感があります。
戦後の日本を支え、今の豊かな日本を築いてくれた高齢者の方々が安心した生活できるよう、生涯福祉に関わっていきたいと考えております。
新卒で介護施設を受けるときの志望動機のポイントは次の3つです。
新卒でも転職でも
などを伝えることは一緒です。自分の言葉でしっかりと説明できるようにしましょう。
新卒の方は働いた経験がないため、仕事以外で活かせそうな経験を伝える必要があります。
例えば
など、経験自体はありふれたものであっても構いません。
介護職は人手不足の事業所が多く、雇う側としては
「この人をすぐに辞めたりしないかな」
と心配になっていることがほとんどです。
そこで志望動機で介護職としての長期的なキャリアプランを伝え、介護の仕事を続けていく意志があることを伝えましょう。
介護施設は、人手不足で職員の高齢化も進んでいるため、若くてやる気のある人はとても需要があります。熱意のこもったキャリアプランを説明したらとても好印象になります。
私は学生の頃、高齢者施設でボランティアを経験しました。
その時に関わった利用者さんが私に対して昔の仕事のことや、家族について熱心に話してくださり、
「介護とはこれまでは一生懸命に生きてきた高齢者の人生に大きく関われる仕事なんだ」
と思いました。ちょっとしたお手伝いに対しても笑顔で「ありがとう」と言ってくれたことを今でも覚えています。
このボランティア経験の中で大きなやりがいを感じることができ、介護職として働くことを決めました。
貴社を選んだ理由としてはボランティアの受け入れを積極的に行っていることです。
福祉業界、高齢者施設などは関わりの少ない人にとっては閉鎖的なイメージを持つ人が多いと思います。
実際に高齢者と関わり、福祉の素晴らしさ・楽しさを実感する人はまだたくさんいるはずです。
介護の現場で働くと同時に、ボランティアさんなどに福祉の素晴らしさを伝えていきたいと思い、貴社を希望しました。
また私は学生時代にサークルで部長としてメンバーをまとめていた経験があります。
貴社でも持ち前のリーダーシップを発揮し、将来的に組織の中核となって働くことができるよう頑張りたいと思っています。
介護施設の事務職を受けるときの志望動機のポイントは次の3つです。
今までの経験からどのような事務の仕事ができるのかを伝えましょう。
介護における請求や給与計算などは毎月欠かせないことであり、介護施設は即戦力となる人を求めています。
「前の職場では〇〇と✖️✖️をやってきました」
と具体的に伝えると好印象です。
社会福祉法人が運営する施設ではさまざまな事務の仕事があります。
会計処理はもちろんのこと受付や電話窓口、介護施設によっては地域防災など運営に関わることや、施設行事で利用者さんと触れ合うこともあります。
事務職としてだけでなく、利用者さんや地域にも貢献したいことを伝えられると印象が良いです。
介護報酬の請求や給与計算など、全てを覚えるまでに時間がかかります。
よって雇う側の気持ちとしては長く勤めてもらえることを望んでいます。
「介護事務のエキスパートになりたい」
など、具体的なキャリアプランを説明できると「この人はすぐには辞めないな」と安心してもらいやすいです。
私は、過去に〇〇関係の事務職として✖️年勤めてきました。その経験もあり、書類作成や表計算等のパソコン操作は一通り可能です。(介護保険・介護報酬制度の知識があれば必ず伝えましょう)
今まで培ってきた経験やスキルを活かすと共に、私の専門性以外でも利用者様への貢献、地域への貢献活動にも関心があります。事務職のみにとらわれず、幅広いジャンルで活躍できる機会を与えていただけたらと思います。
特に貴社は地域と合同の防災訓練を実施するなど、防災に関して注力しているように感じます。実際に近隣に住む立場としても主体的に自分ごととして取り組めたらと思います。
もし入社し、貴社で働くことができた場合には長期に渡って経験を積んでいきたいです。
社会福祉法人の就職試験を受ける際の志望動機については株式会社の事業所などと比べ、そこまで特別に考える必要はありません。
など、仕事に対する思いを分かりやすく説明できるように準備しましょう。
また、自分の経験をいかにわかりやすく、相手の記憶に残るように伝えるかも重要です。
志望動機は人それぞれに様々な背景があると思います。
今までの経験や自分の考えをじっくり振り返ってみることをおすすめします。
この記事が読者のみなさんが理想の職場で働くための手助けになれば幸いです。
2022年9月30日公開/2024年4月3日更新(ひょうご介護アナウンス編集部)