看護助手は基本的に医療現場で看護師をサポートする仕事ですが、介護現場でも活躍できることをご存じでしょうか?
介護現場では医療現場と仕事が若干異なり、働き方も違ってきます。今回は看護助手の役割をおさらいしつつ、介護現場における仕事や魅力、必要スキルについて解説していきます。
看護助手とは、看護師のサポートや患者の世話などをする職務です。病院だけでなく介護現場でも勤務することがあります。ここからは、介護現場における看護助手の仕事内容を解説します。看護助手の給与も紹介するので、介護現場の仕事を決める際にもぜひ参考にしてみてください。
厚生労働省によると、看護助手が担当する仕事の例は下記の通りです。
ただ、介護の現場では介護職のスタッフが介護対象者の身の回りについてサポートすることから、看護師は健康管理や薬管理など医療や看護の観点からサポートします。
たとえば、インフルエンザの予防や睡眠のケア、バイタルチェックなどです。したがって、看護助手も検査や処置に関する業務をサポートする機会が増えると考えられます。
参考:職業情報提供サイト(厚生労働省)
大手求人サイトに統計データによると、看護助手の給与は、正社員だと平均年収が約300万であり、派遣社員だと平均時給が約1,250円、アルバイト・パートだと平均時給が約1,000円です。
厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査によると、看護助手の月給と賞与に関する金額は下記の通りです。
規模(人) | 月給(千円) | 年間賞与(千円) |
---|---|---|
10~99 | 203.9 | 461.0 |
100~999 | 198.8 | 448.0 |
1000~ | 210.1 | 395.1 |
介護現場の仕事に決めるのであれば目安にしてみてください。
参照:令和元年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
看護助手が介護現場で働く魅力を3つ紹介します。
看護助手が介護現場で働く際、患者の身の回りについて世話をするので、介護のスキルを日ごろから身に着けられます。その中で、介護のスキルをさらに高めたいと思うようになる方も出てくるかもしれません。
介護の国家資格には介護福祉士があり、3年以上の実務経験を積むことでも受験資格を得られます。
その実務経験に看護補助者の職種も含まれており、地域福祉センターや訪問看護における介護の仕事などに携わっていけば、介護福祉士にキャリアアップすることも可能です。
参考:介護福祉士国家試験 受験資格(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)
病院の場合は病気を患っている方をサポートしなければなりません。ときには看護師とともに急患対応に迫られることもあるでしょう。
患者を対象とすることから、より一層体調面に気を遣わなければならず、はじめて看護助手をする方にとってはプレッシャーを感じるかもしれません。
その点、介護現場では患者ではなく高齢者をサポートするので、病状に対する精神的な負担が少ないといえます。いきなり病院で勤務する自信がないのであれば、介護現場でじっくりと看護師の業務を学び、職場を変えるとよいかもしれません。
介護施設では介護スタッフが在籍していることから、体力を要する入居者のケアを担当してもらえます。体力に自信がない方にとっては病院よりも勤務しやすいことでしょう。
また、病院の場合は入院対応によって残業が発生することがありますが、介護施設の場合は入居者が突然入ってくることはありません。
したがって、病院よりもイレギュラーな残業対応が少なく、ワークライフバランスを保ちやすい点が魅力的だといえます。
病院の場合は老若男女幅広い世代の患者と接することになりますが、介護現場では主に高齢者と接することが基本です。
中には認知症を患っている方もいて、看護に必要な情報をうまく引き出せないこともあるでしょう。そのため、入居者を観察する力はもちろん、介護施設の関係者と連携するスキルも求められます。
また、看護助手は医療行為を行うことが禁止されており、介護現場で働くうえでも最低限知っておきたい知識です。
たとえば、採血や点滴や注射などの医療行為が行えません。判断を誤らないよう看護師に相談しながら業務を行う心構えも重要です。
看護助手は、基本的には病院関連の施設で働くことになりますが、一般の求人では介護施設でも募集されています。
たとえば、特別養護老人ホームです。特別養護老人ホームは要介護が必要な高齢者が住む生活施設です。看護師は常駐が義務付けられているので、必然的に看護助手がサポートする機会も増えると考えられます。
そのほか、介護老人保健施設という介護施設もあります。要介護が必要な高齢者のリハビリを行って在宅復帰を目指すための施設です。医師とともに看護師の常駐が義務付けられており、こちらも看護助手が活躍できる職場といえます。
このように介護施設はさまざまな種類があるので、施設ごとに関わる対象者の特徴を知ったうえで自分に合った職場を探すことが大切です。
2020年10月27日公開/2024年4月1日更新(ひょうご介護アナウンス編集部)