精神保健福祉士とは?仕事内容や平均給与、仕事のやりがいを紹介

精神保健福祉士は、精神障害を抱えている方とその家族をサポートするお仕事です。医療機関では精神科の医師が精神障害の治癒を目指していきますが、看護師・作業療法士などと連携しチーム医療のひとりとして、患者が社会復帰するための訓練や就労支援などを含んだケア全般を精神保健福祉士を主に担っています。

また介護施設や地域包括支援センターでは、利用者や利用者家族の精神的な相談業務や生活支援を行います。

精神保健福祉士(PSW:精神科ソーシャルワーカー)とは

社会生活を送る上で問題を解決に導く仕事に従事している人を広く「ソーシャルワーカー」と呼んでいますが、精神保健福祉士もそのひとつ。精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)と呼ばれています。

精神保健福祉士は介護福祉士および社会福祉士と同様に福祉系の国家資格であり、精神疾患の方を支援していくスペシャリストです。社会福祉士と精神保健福祉士はいずれも福祉を必要とされる方の支援を行う仕事です。2つの違いは支援を行う対象です。

精神保健福祉士は統合失調症やうつ病、認知症などの精神になんらかの障害を持っている方とそのご家族の支援を行います。

精神保健福祉士になるためには国家試験に合格する必要があります。

受験資格は「福祉系大学等で指定科目を履修し卒業する」「相談援助4年以上の実務業務と1年以上一般養成施設で学ぶ」などの方法で得られます。試験科目は16科目群からなり、合格率は毎年60%ほど。

就職先は精神病院、メンタルクリニックなどの医療機関や保健所、福祉事務所などの行政機関、精神障害福祉ホームなどの生活支援機関等など。最近では、職場でのストレスやうつ病対策、職場復帰のための支援など企業での採用や教育現場でのスクールソーシャルワーカーの起用が始まっています。

精神保健福祉士の仕事

精神保健福祉士の仕事は、主に2つに分けることができます。

精神障害を抱えている方のサポート

精神障害を抱えている方がもつ生活問題や社会問題の相談を受け、社会活動の参加や社会復帰の支援など、日常生活を送っていくためのさまざまなサポートを行います。。精神障害を抱えている方へのサポート内容は、医療機関・障害福祉サービス等事業所・福祉事業所など働く場所によって少しずつ異なります。例えば、医療機関では入院から退院までの間相談を受け、退院後に日常生活を送るための訓練など支援を行い、社会復帰・社会参加を目指すサポートをしています。

精神障害を抱える方の家族のサポート

精神疾患を抱える方の多くは、ご家族の支えなくして社会復帰が難しいのが現状です。そのためご家族からの相談やサポートも精神保健福祉士の仕事。ご家族の悩みを解決するため、施設の紹介・費用や手続きのアドバイスなどを行っています。

精神保健福祉士の平均給与

公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが行っている「平成27年度就労状況調査結果」によると、精神保健福祉士の平均年収は347万円(平成26年度)です。

精神保健福祉士として「正規職員」で働いている場合、男性の平均年収426万円、女性の平均年収は368万円です。

一方で、精神保健福祉士として「非正規職員の常勤者、パート、派遣社員」として働いている場合、男性の平均年収403万円、女性の平均年収は321万円となっています。

この結果から、精神保健福祉士として「正規職員」で働くことでより安定した収入が得られることが分かります。

また精神保健福祉士の資格を持っていれば、資格手当がもらえる職場や施設があります。同調査によると精神保健福祉士の手当平均は月額13,147円。精神保健福祉士として高額な給与を望むのであれば、「正規職員雇用」「資格手当あり」の職場や施設を検討すると良いでしょう。

精神保健福祉士の仕事のやりがい

精神障害を抱える方やご家族の悩みを理解し、安心して日常生活を送れるようサポートしていく精神保健福祉士。他人の悩みを理解し寄り添い解決に導いていくことは信頼関係がないとできることではありません。また精神保健福祉士は国家資格であり、社会に貢献できる仕事のひとつ。自信と誇りをもって取り組むことができるのが精神保健福祉士の仕事であり、そしてそれがやりがいにもつながっています。

精神障害を抱える方とその家族の支えになることができる

精神障害は、一般の人にはなかなか理解が難しい心の病。医師から病名を聞かされた患者とその家族は多くの悩みや不安を抱えています。豊富な経験と知識を持つ精神保健福祉士は、精神障害を抱える方やその家族の一番近くで悩みや問題に向き合い、解決に導くことができる頼れる存在になるはずです。不安と戦う人たちの心強い支えになれる職業と言えます。

社会復帰のために歩みだそうとする方の頼れる存在になれること、それこそが、精神保健福祉士の仕事のやりがいの根幹です。

感謝の言葉をもらうことができる

精神障害がある方とその家族の生活相談・支援が主となる精神保健福祉士の仕事は決して簡単なものではありません。個人によって悩みや問題は異なりますし解決したい方向も違います。コミュニケーションがとりづらい場合もあるでしょう。取り戻したい日常への道のりは遠く困難なこともあり得ます。

だからこそ困難な道のりを共に苦労して解決してくれた方に対し、患者や家族は「感謝」や「恩」を感じています。日常生活を取り戻せたとき、精神障害がある方とその家族の笑顔と「ありがとう」という言葉で、「本当に精神保健福祉士の仕事をしてよかった」とやりがいを感じるられることでしょう。

さまざまな人と関わることができる

精神保健福祉士は患者とその家族の人生に深く関わりますが、決して一人だけでできる仕事ではあえいません。精神保健福祉士の仕事は、さまざまな人と密に関わり協力し合うことで成り立っています。

たとえば医療機関では医師・看護師・作業療法士などと連携し、チーム医療のひとりとして患者の社会復帰のための訓練や就労支援を含めたケア全般を行います。医療機関以外の職場でも他業種の方や外部施設とのコミュニケーションはとても重要です。多くの場面でコミュニケーション力や調整力が求められます。

自分ひとりの力だけではなくさまざまな人や施設などと連携して協力することによって、精神障害を抱えた方が日常を取り戻せます。だからこそ大きな喜びとなり、やりがいをより感じることができるのです。