ホームヘルパー(訪問介護員)とは?仕事内容や平均給与、仕事のやりがいを紹介

ホームヘルパーは、介護が必要な方の自宅を訪問し、在宅で自立した日常生活を送るための援助など介護サービスを提供します。

ホームヘルパーが行う介護サービスは2種類あり、食事・排せつ・入浴など介助を行う「身体介護」と、掃除・洗濯・買い物などの「生活援助」です。

ホームヘルパーとは

ホームヘルパーとは正式名称ではなく実は通称です。介護保険法においての正式名称は、訪問介護員となっています。

「介護保険法において」と記載しましたが、ホームヘルパーが関係する法律には2種類あります。

「介護保険法」と「障害者自立支援法」です。「介護保険法」は介護保険認定で要支援・要介護の認定を受けた高齢者に「訪問介護」サービスを提供する際に用いられる法律で、「障害者自立支援法」は介護が必要な障害者に「居宅介護」サービスを提供する際に用いられる法律となっています。

ホームヘルパーになるためには、都道府県で実施される「介護職員初任者研修」を修了する必要があります。

また、2013年4月の介護保険法の改正に伴い、「ホームヘルパー2級」が「介護職員初任者研修」に変わりました。また同時にホームヘルパー1級は廃止となり、新たに「介護職員実務者研修」へと変更されました。

超高齢化社会を迎える日本において必要となる優秀な介護職人材の育成・輩出を目的として、訪問介護だけではなく幅広く介護施設でも活躍できる内容に変更されています。

「介護職員初任者研修」は受講したい都道府県によって異なります。多くの場合16歳以上になれば受講資格が与えられ、都道府県が実施している(ハローワーク)講座や民間が提供する講座で取得できます。

「介護職員初任者研修」は1か月程度で取得でき比較的ハードルが低めの資格です。「介護職員初任者研修」で介護の基礎を学んだあとより実務的な介護の知識と技術を学のが「介護職員実務者研修」です。

「介護職員実務者研修」は介護職未経験の方でも受講することができ、「介護職員初任者研修」を受講後であれば免除される講座が多くあります。

また、平成27年度から介護福祉士国家試験の受験資格に「介護職員実務者研修」受講が必須となっています。介護施設などで最初は未経験から働き、「介護職員初任者研修」「介護職員実務者研修」を取得した後、さらなるキャリアアップと技術向上を目指して「介護福祉士」の資格にチャレンジする方も多いです。

「介護職員初任者研修」を取得したあとの就職先は訪問介護事業所、有料老人ホームや介護サービス付き高齢者住宅、高齢者専用住宅などがあります。

ホームヘルパーの仕事内容

ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事は、「身体介護」と「生活援助」に分けることができます。ホームヘルパーはお手伝いさんではありません。

利用者が日常生活を送るうえで困難なことを支援するのが仕事です。利用者家族のための調理や洗濯、日常生活以上の掃除などは対象外です。

また医療行為が含まれる場合にも一切介助することはできません。

身体介護

ホームヘルパー(訪問介護員)ができる身体介護には以下のようなものがあります。

  • 食事介助
  • 体をふくような部分入浴も含む入浴介助
  • 排泄介助
  • 歩行介助
  • 起床就寝や着替えの介助
  • ベッドから車いすなどへの乗り降りの介助
  • 服薬介助
  • 体の移動が必要なとき、介護者の体に直接触れて行う介助
  • 通院などの移動介助

生活援助

身体に直接触れない生活の身の回りのお世話を行います。具体的には以下のようなものがあります。

  • 掃除
  • 洗濯
  • 調理や配膳、片づけ
  • 買い物
  • 衣料の出し入れ
  • 薬の受け取り、等など。

この他にもさまざまな仕事があります。

ホームヘルパーの平均給料

ホームヘルパー(訪問介護員)の給与は厚生労働省などの正確なデータがないため、求人を参考にして紹介していくことにしましょう。ホームヘルパーは常勤で働いている方だけでなく、パートタイムなどで働いている方も多いことから時給換算でも紹介します。

ホームヘルパーの平均月収は約21〜22万円となっています。しかし高齢化に伴う訪問介護員の需要に対し人数が十分でないため、パートタイムで働く場合の平均時給額は1,100〜1,300円と、兵庫県の平均的なパートタイムよりも高額な時給が支払われています。

ホームヘルパーの仕事のやりがい

ホームヘルパー(訪問介護員)は、利用者にとって本当に頼りになる存在です。直接触れ合う時間が多く家族以上の理解者になることも少なくありません。

ホームヘルパーの魅力のひとつに「時間の融通がきく」ことがあります。子育てをしながら空いた時間にホームヘルパーをパートタイムでやっている主婦の方も多くいます。

利用者からの感謝の言葉

ホームヘルパーがやりがいを感じるのは、利用者の嬉しそうな表情や感謝の言葉だと言います。介護を必要としている方にとって一番身近にいるホームヘルパーは、頼りになるだけでなく心のよりどころです。

「本当の息子より頼りになる」「家族のような存在なんだよ」と言われ、ホームヘルパーの仕事にやりがいを感じたと言う方も少なくありません。

自分ひとりの力で利用者と向き合える

介護施設等で勤務している場合、複数のスタッフと一緒に複数の利用者を介護します。しか

し、訪問介護を行うホームヘルパーの場合は、利用者と1対1での介護が基本です。利用者が安心して日常生活を送れるよう、しっかりと自分で考えてサポートしていきます。

複数人と一緒に働くことにわずらわしさを感じる方は、ホームヘルパーは向いているかもしれません。自分ひとりの力で利用者と向き合うことができ、そこにやりがいを持っている方も多くいます。

女性が活躍できる

ホームヘルパーは女性が活躍できる職業です。

女性ならではの細かな気配りやきめ細やかな家事などは利用者に感謝されることが多く、女性の会話好きな点も利用者にとって大きな励みとなります。

時間の融通がききやすいため家庭と両立しながら働くことも可能です。年齢に関係なく長く働き続けられる職業なので、結婚や育児などブランクができてしまいがちな女性にとって嬉しい仕事と言えそうですね。

2020年5月12日公開/2024年4月1日更新(ひょうご介護アナウンス編集部)