面接は履歴書に基づいて進み、それを補足する形で質問がされます。基本的な質問は、介護業界でも他の業界でも大差はありませんが、介護業界ならではの質問が投げかけられることも勿論ありますので、事前の対策が必要です。
では、介護業界の面接ではどんな質問をされることが多いのでしょうか?どんな返答をすれば採用となるのか、介護業界でよく聞かれる質問とその対策について紹介していくことにしましょう。
面接では、面接官が知りたいと思う内容が質問として投げかけられます。これはどの業界の面接であっても基本的に変わりません。
面接において良く聞かれる質問事項は、以下の通りです。
当日に慌てないためにも、それぞれの質問事項にふさわしい回答を事前に用意しおきましょう。
ここからは、面接で聞かれる質問事項の理想の回答例と、その対策について説明していきます。
介護職への志望動機について聞かれた場合、履歴書に記載した内容とかけ離れないよう気を付けるようにしましょう。未経験、経験者ともに面接官に聞かれることになる質問ですので、事前に準備しておけば安心です。
「志望動機に付け加えて話すことはないか?」「話しておいた方がいいことはないか?」など、履歴書を再度見直しておくと良いでしょう。
回答例としては、金銭的なこと、会社の利益よりも、熱意、信念を伝えることを心掛けるようにしましょう。前もって会社(法人、施設)などの情報を集め、掘り下げられた質問をされた時でも詰まらずにすんなりと回答できるよう用意しておくと、印象が良くなります。
【回答例】
以前、施設を見学させていただいたことがあるのですが、設備、環境に配慮されているというだけでなく、職員の方達が自ら考え、積極的に行動する姿に目を奪われました。職場のスタッフが満足して働けるよう、職場改革にも取り組んでいるそうですが、その結果が反映されていると実感でき、御社でどうしても働きたいと強く願うようになりました。
どんなに辛く辞めたいと思った職場であっても、ネガティブな表現は避けるべきです。「採用したら、また不満が出始めるのではないか?」とマイナスな印象につながってしまいます。
ネガティブな事柄であってもポジティブな表現へと変換し、働くことを楽しめ、職場を明るくできる人材であるとアピールするよう心がけましょう。
【回答例】
前の職場では、介護サービスの基本を学ぶことができ、高齢者の方と家族のように仲を深めることができました。そこで、御社のような規模の大きな施設で、さらに介護士として上を目指したいと思うようになりました。
入居者の多い大きな施設で経験することで、今まで身に付けることができなかったようなスキルを、ぜひとも学びたいと思っています。
前職で介護経験がある場合は、より詳しく伝えて実績をメリットと捉えてもらえるようアピールしていきましょう。
新卒採用で経験がない場合にも、「職場での経験はないですが、ボランティアやアルバイトなどで携わったことがあります」と、介護に関わる実績や専門学校で取得した介護資格など具体的なものがあれば、すぐに答えられるよう準備しておけると安心です。全くの別業種から介護業界の面接を受ける場合には、志望する介護職に活かせる前職の経験を前面に押し出した回答を考えてみると良いでしょう。
【回答例】
前職では、営業職に従事しており、主に訪問販売を担当しておりました。介護業界とは全く別の業種ではありますが、人と接することには慣れており、お客様の立場に立って商品を勧めることを心掛けていました。
介護は全く経験のない私ですが、訪問販売の経験を高齢者の方と接する時などにも生かしていけたらと思っています。御社でも、これから訪問介護の拡大を目指すと掲げていたため、訪問介護の方面でも力になれればと考えています。
志望する施設で実際に働くことになったら、どんなキャリアアップや目標を掲げているのか。採用を決定する上でも重要な質問です。
採用後の配属先選びも考慮した質問と言えます。あなたに具体的な目標があるならば、採用後に得るであろう知識と経験、そして取得を目指している資格にも触れながら回答していくのがベストでしょう。
【回答例】
私は、以前から介護施設でのボランティアに参加しており、企画から運営まで仲間と取り組んでいたのですが、高齢者の方々が笑顔を見せてくれることが何より嬉しかったし、励みになりました。
できることであれば、採用後も高齢者の方達とより身近な環境で、お世話がしたいと考えています。また、ボランティアの頃の経験を生かし、季節ごとに行われるイベントなどにも携わっていきたいです。
働く基本となるスキルは専門学校でも身に付けてきましたが、今後は介護の現場での経験と知識を積み上げ、ケアマネージャーの資格を目指して、より質の高い介護サービスに貢献していけたらと考えています。
「どんな時間帯でも勤務可能です!残業ももちろん問題ありません!」という回答が、採用側にとって最も嬉しい回答なのは言うまでもありません。しかし、できもしないことをできると伝えてしまうと後々問題になってしまいます。
もし希望がある場合には、正直に伝えることが大切です。ただ単に夜勤や残業はできないとストレートに伝えるのではなく、その理由をちゃんと付け加え、相手側の理解を得られるような回答としてまとめましょう。
【回答例】
現在、小学生の子供がいますので残業は可能ですが、やはり夜勤については難しいのが現状です。ですが、来年は子供も中学に進学し、夜遅くなら夫も帰宅しますので、夜勤も可能になると思います。
面接もいよいよ終わりが近づいてきたとき、良く聞かれる質問といえば「最後に何か質問はありますか?」という逆質問ではないでしょうか。
これは最も回答に迷う質問と言えるかもしれません。純粋に尋ねたい事柄があればそれを投げかけることもできますが、本当にそれが正解なのかも分からず、面接後もモヤモヤとして気持ちなって困ってしまいますよね。
では、どのように回答することが正解なのでしょうか?
事前に調べていればわかることや面接中に出た話を再び聞いてしまうこと。これはNG!
実は、もし質問が無ければ、単純に「特に、ありません。」と回答するのが一番です。
その時に好印象で終われるよう、これからの意気込みや本音を織り交ぜた言葉を付け加えられると完璧です。回答の難しい逆質問ではありますが、あなたの魅力を採用担当者に伝える最後のチャンスでもあるんです。
【回答例】
特にありません。介護業界は初めてなので、不安もありますが、それを上回る喜びも感じています。仕事を覚え、早く一人前の介護士として皆さんのお役に立てるよう頑張ります。
質問しないことは、失礼なのではと考える方も多いですが、何も質問しないことがベストである場合もあります。
なぜなら、質問を返すことで好印象につながることも十分に考えられますが、慌てて質問してしまったせいで失敗に終わるケースも多いからです。質問をすれば会社(法人)に興味があると捉えられるケースばかりではありません。
マイナスな印象を持たれる可能性もあります。わかりきったことを質問してしまった場合には「面接前のリサーチが不十分なのだろう」と悪い印象を与えることになってしまいます。聞きたいことがあったとしても、「特に、ありません。」と回答するようにしましょう。
2020年6月23日公開/2020年7月10日更新(ひょうご介護アナウンス編集部)