福祉用具専門相談員は、介護が必要となった方に、福祉用具選びをサポートする職種です。
福祉用具専門相談員の仕事内容や平均給与、仕事のやりがいなどについて見ていきましょう。
福祉用具専門相談員は、利用者さんのために、福祉用具選びのアドバイスをする仕事です。
自分にあった福祉用具を使うことで、利用者さんはより生活しやすくなります。
福祉用具えらびをサポートすることは、利用者さんの生活をよりよくすることにつながるのです。
福祉用具専門相談員の仕事は、相談から始まります。
利用者さんの状態や生活環境を把握して、福祉用具で解決できることを考えていくのです。
利用者さんやご家族の方とコミュニケーションをとりながら進めていきます。
相談をした内容をもとに、利用計画書を作成します。
福祉用具の目標と、その目標を達成するための具体的なサービス内容を考えていくのです。
福祉用具の販売が必要となる場合は、販売の目的についても記入します。
次に行うのが、福祉用具を利用するための準備です。
利用者さんの状態に合わせて、福祉用具の調整します。
また、利用者さんとご家族の方に安心してご利用してもらうために、福祉用具の取り扱いの説明もしなくてはなりません。
モニタリングも、福祉用具専門相談員の仕事です。
定期的に利用者さんのご自宅を訪ね、福祉用具を点検します。
福祉用具に問題が見つかれば、解決方法について考えなくてはいけません。
福祉用具専門相談員の主な勤務先は、
などです。
福祉業具のレンタル会社、販売会社では、2人以上の福祉用具専門相談員がいなくてはいけません。そのため、レンタル会社と販売会社が、福祉用具専門相談員の主要な勤務先となります。
福祉用具を販売するドラッグストアなどでも、活躍の場があります。
福祉用具専門相談員は、正社員の初任給が20万円前後となっています。
福祉用具専門相談員の給与は、介護職員と給与とほとんど同じです。
経験によっても、給与には大きな違いが生まれます。
福祉用具専門相談員で働いた経験がある場合、管理者候補として採用されることもあり、30万円以上の給与を受け取ることが可能です。
福祉用具専門相談員以外の資格を同時に持っている方も、高い給与を受け取ることができます。
ただし、給与の金額だけを見て、勤務先を決めることは危険です。
福祉用具の販売会社では、営業がメインとなる働き方もあり、厳しいノルマが設定されているケースもあるからです。毎月ノルマが決められている事業所の方が、給与も高く設定されています。営業職であるか、ノルマがあるかなど、しっかり確認した上で求人に応募するようにしましょう。
福祉用具専門相談員の待遇として一番に考えられるものに、資格手当があります。
資格が条件となっている求人の場合、もともとの給与に含まれていることも少なくありません。
しかし、手当として給与とは別に支給されることも多くなっています。
福祉用具専門相談員になるためには、各都道府県が指定している研修先で「福祉用具専門相談員指定講習」を受けなくてはなりません。
50時間のカリキュラムが用意されており、それをすべて学ぶ必要があります。
さらに、最終テスト(筆記)をクリアしなくてはいけません。
ただし、「福祉用具専門相談員指定講習」を受けていなくても、福祉用具専門相談員になれるケースがあります。
福祉の知識を身に付けられる国家資格を持っている場合です。
国家資格を持っているのであれば、福祉用具専門相談員としてすぐに働くことができます。
福祉用具専門相談員として働ける国家資格には、
があります。
国家資格をすでに持っている場合、「福祉用具専門相談員指定講習」もテストも必要とせず、福祉用具専門相談員としてすぐに働くことができます。
福祉用具を提案する中で、利用者さんとじっくり関わることができます。
利用者さんが生活で抱えている問題を、福祉用具の提案を通じて解決することが福祉用具専門相談員の仕事です。
利用者さんの話をじっくりと聞き、親身になって福祉用具を提案している中で、利用者さんと親密になっていきます。
福祉用具を購入してもらった後も、定期訪問などで利用者さんに寄り添った活動ができます。
福祉用具専門相談員の仕事には、ケアプランにそって仕事を進めていく場面がたくさんでてきます。
そのため、ケアプランを立てるケアマネージャーとの話す機会も多いです
ケアマネージャーさんとの会話は、専門的な言葉や知識を必要とすることが多く、仕事の中でこうした知識が自然と身についていきます。
福祉用具専門相談員の大変なことは、資格が必要な点です。
「福祉用具専門相談員指定講習」は50時間の学習が必要となります。
さらに最終テストをクリアしなくてはならないため、誰でも取ることのできる資格ではありません。
無事、福祉用具専門相談員として働くこととなっても、年々福祉用具は変わっていきます。
利用者への効果や使い方、設置方法なども、用具によって1つずつ違ってくるため、これを覚えていくだけでも努力が必要です。
働きながらすべての知識を身に付けていくことは簡単なことではありません。
人々の役に立てるプロの福祉用具専門相談員になるためには、こうした努力の積み重ねが大切です。
福祉用具といっても様々なものがあります。
手すりや入浴補助具などは、あまり大きなものではありませんが、介護ベッドや電動ベッド、車いすなどは重量があるため、運搬も簡単ではありません。
特に福祉用具は、安定性のある、しっかりとした造りのものばかり。
風呂場で使う椅子1つとっても、重みのある頑丈な設計となっています。
福祉用具専門相談員の仕事は、用具選びやアドバイスでは終わりません。
用具の運搬、設置、調整なども仕事となってくるため、どうしても力仕事が増えることになります。
会社から福祉用具を車に乗せ、利用者の住まいなどに降ろし、使える状態に設置することは、想像するよりはるかに大変な作業です。
福祉用具専門相談員に向いているのは、やはり資格を持っている方です。
資格がなくては、いくら意欲があっても、福祉用具専門相談員にはなれません。
福祉用具専門相談員には、知識も必要ですが、体力があることも重要です。
体を動かすことが好きな方や健康に自信がある方のほうが福祉用具専門相談員に向いていると言えるでしょう。
福祉用具については前でも紹介しましたが、重いものも多いため、力仕事が得意な男性のほうが活躍できる機会が多いです。
ただし、女性だから向かないというわけではありません。
福祉用具の設置や調整などには、女性の細やかな気配りも大切になってきます。
福祉用具専門相談員として、実際多くの女性が働いているのです。
コミュニケーション力や会話力、管理能力があるだけでなく、高齢者が好きという方も向いている仕事と言えるでしょう。
2020年9月29日公開/2021年5月26日更新(ひょうご介護アナウンス編集部)