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介護ドライバーとは?仕事内容や給与、必要な資格、やりがいを紹介

デイサービスやデイケアをはじめとした介護サービスを提供している介護施設には「介護ドライバー」と呼ばれる車の運転を中心とした仕事をしている方がいます。本記事では介護ドライバーの仕事内容や給与、仕事の魅力をわかりやすく紹介していきます。

介護ドライバーについて

介護ドライバーとは介護施設の利用者さんを運転する車に乗せて自宅と施設の行き来をサポートする人(もしくは仕事の名称)のことを言います。

名前の似た仕事に介護タクシーと呼ばれるものもありますがこちらとは役割や仕事内容が異なるので混同しないようにしてください。

介護ドライバーと介護タクシーの違いは次の表のようになります。

介護ドライバー介護タクシー
目的デイサービスやデイケアなど
介護施設の利用者さんの送迎
利用者さんの目的地への送迎と
「通院等のための乗車または降車の介助」を
介護サービス(訪問介護)として行う
介護保険
の適用
なしあり(適用の条件あり)
サービス
の具体例
介護施設と自宅間の送迎通院、買い物、預金の引き下ろし、
選挙の投票など

介護ドライバーの仕事内容

介護ドライバーの主な仕事内容は高齢者を車に乗せ送迎を行う運転業務です。

仕事の流れとしてデイサービスであれば、午前中の迎えと夕方の送りの時間帯に利用者さんを車に乗せて送迎を行います。

一点気を付けておきたいのが送迎の際に介護職員が同乗していない場合があり、そういった際には利用者さんの車への乗り降りや車いすの上げ下ろし、歩行の手伝いなど介助業務を行う必要があることです。

また、施設や勤務の形態により異なりますが勉強会や講演会で施設へ来所する講師の送迎や運転業務以外に車や施設などのメンテナンス、清掃をすることもあります。

 介護ドライバーの平均給与

介護ドライバーの平均給与ははっきりとしたデータがあるわけではありませんが求人サイトなどを見てみると、東京都の場合には時給1,000円、日給6,000円、月給20万円程度が多いようです。

雇用形態はアルバイトやパートで募集していることが多く、勤務時間は送迎にかかる2時間程度の勤務(送り迎えの両方であれば4時間程度)となります。

介護ドライバーになるための条件

介護ドライバーになるために満たさないといけない条件や必要となる資格は特に定められていません。

これは介護ドライバーが介護タクシーとは異なり介護保険法で定められた業務ではないためと言えます。

デイサービスなど多くの介護施設は送迎にかかる費用を介護サービスの利用料以外で徴収することをしていないケースがほとんどです。(ただし、入所系の介護施設などでは利用者の移送にかかるガソリン代を徴収している場合があります)

 介護ドライバーに必要な資格

普通自動車免許があれば介護ドライバーの仕事をすることが可能です。

ただし、AT限定でよいかどうかは施設が所有している車により異なるので求人票や面接の際などに確認しておくのがよいでしょう。

必須というわけではありませんが、介護職員初任者研修などの資格を取得して介護に関する知識や技術を身につけておくのがよいかもしれません。

施設により異なるので一概には言えませんが、利用者さんの送迎を行う際に車の乗り降りや車いす上げ下ろし、歩行などの移動を介助することがあるからです。

介護職員初任者研修はだれでも受講でき、介護の基本的な知識や技術を学ぶ研修のことです。(研修を修了することで資格を取得できます)事業所によりますが送迎の車に介護職員が同乗する場合とそうでない場合があるので利用者さんを介助する方法を身につけておいて損はないでしょう。

 介護ドライバーに必要な経験

介護ドライバーに求められる経験は安全な運転ができるかどうかです。事故や交通違反がなく(少ない)方には向いている仕事と言えるでしょう。

また、丁寧で優しい運転を心がけきたという経験も必要です。高齢者は若い方と比べて身体能力が落ちている方や病気を抱えている方も多く、精神的に不安定な方もいるので心身ともに負担のかからないように配慮した運転を行う必要があります。

運転の上手さだけでなく安全で安心できる運転をしてきた経験が必要と言えるでしょう。

他には、ワンボックスタイプの大きな車の運転を使って高齢者の送迎をすることもあるのでそういったタイプの車の扱いになれているとさらに良いと言えます。

介護ドライバーとして働く魅力

デイサービスやデイケアなど介護施設に必要不可欠な介護ドライバーですが、その仕事の魅力とは一体何なのでしょうか。ここでは介護ドライバーの魅力を3つピックアップしましたので参考にしてみてください。

 【魅力1】”人に感謝される”

介護ドライバーは送迎を利用する利用者さんをはじめ、その家族や施設の介護スタッフなどから「ありがとう」と感謝してもらえる仕事です。

足腰が弱くなり外出することが難しくなった利用者さん、介護をしている家族、車の運転が苦手な介護職員などいろいろな人に感謝されるのが介護ドライバーです。

人のために役に立ちたい、社会に貢献できる仕事がしたいと思っている方にとってやりがいのある仕事と言えるでしょう。

【魅力2】”勤務時間が短い”

フルタイムで働くことが難しい方や、希望していない方には魅力のある仕事と言えます。定年して現役を引退した方があいた時間を有効に活用したい、自営業の合間に少しだけ働きたい方などが介護ドライバーとして活躍されているケースも多くあります。

1日当たりの勤務時間は4時間程度なので短時間の勤務を望む方には都合がよいのはないでしょうか。

 【魅力3】”好き・得意である車の運転を仕事にできる”

車の運転が好きな方、苦にならない方、得意な方にとっては魅力のある仕事と言えます。利用者さんへの介助や気づかいは必要となりますが業務の中心は車の運転です。安全で安心な運転ができる方であればその運転技術や経験を活かすことができるでしょう。

介護ドライバーとして働ける主な職場

介護ドライバーの職場は介護サービスを提供している事業所になります。

デイサービスやデイケアを中心に、介護老人保健施設(老健)や介護老人福祉施設(特養)、ショートステイ、有料老人ホームなどで介護ドライバーとして働くことができます。

まとめ

介護ドライバーについて紹介してきましたが参考になりましたでしょうか。

介護業界では高齢者の増加や人材の不足などから人材の確保は急務となっており、介護職員と同様に介護ドライバーもニーズの高い仕事と言えるので求人は比較的探しやすい状態にあります

2020年10月27日公開/2021年5月26日更新(ひょうご介護アナウンス編集部)