スポーツで介護を変えていく!介護にたずさわるアスリート

スポーツ界では、「引退後どのように人生を歩むか?」というアスリート選手のセカンドキャリア問題が話題となっています。たとえオリンピックに出場して金メダルを取ったとしても、将来それだけで生活していくことは難しいのが現状です。

アスリート選手にはタレント・コーチ・監督・一般就職などさまざまなセカンドキャリアが考えられますが、介護業界に乗り出している方もいます。「介護とスポーツに何の関係性があるの?」という声も聞こえてきそうですが、実はスポーツには介護を変えていく大きな力があるんです。今回は、介護業界で活躍しているアスリート選手2名をご紹介していきます。 

アスリート選手は介護職に向いている!? 

一見すると、介護とスポーツには何の関連もないように感じますよね。しかし、アスリート選手は介護職にとても向いているんです。まずは、体力面。介護は体力を使う仕事ですが、アスリート選手は日々のトレーニングで鍛え上げられた身体を持っています。ですので、介護の仕事に対する体力はバッチリついているんです。 

また、精神面でも介護職に向いているといえます。先輩を敬う気持ちや、自ら率先して行動しようとする姿勢がスポーツによって身についているんです。なお、アスリート選手は多くのケガやリハビリを経験していることがあります。そういった経験により、高齢者の障害を理解できたり、気持ちに寄り添ったりすることができます。 

介護業界で活躍するオリンピアン 

介護とスポーツには何の関係性もないように思われがちですが、意外と親和性があることがわかりましたね。ここでは、介護業界で活躍しているアスリート選手2名をご紹介していきます。実際の場面ではどのように介護とスポーツが融合されているのでしょうか?ひとりひとりご紹介していきますね。 

介護分野で起業し活躍されている「清水宏保」さん 

出典:清水宏保さん公式Instagram より

スピードスケート選手の清水宏保さん。長野オリンピックで金メダルを取ったトップアスリート選手です。現在は株式会社two.sevenを経営しており、デイケア・サービス付き高齢者向け住宅・フットネススタジオなどを展開している方です。

医療福祉×スポーツをコンセプトにしており、どの施設も「運動」を大切にしています。清水宏保さんはスポーツや運動の力を肌で感じており、シルバー世代にトレーニングで汗を流してもらい、元気で健康寿命の長いゴールド世代になってほしいという思いを語っています。また、介護施設を運営することで、アスリート選手のセカンドキャリアに貢献したいという気持ちもあるそうです。清水宏保さんは、アスリート選手には日本の介護を変えていく力があると信じています。

スポーツを通して、高齢者のライフスタイルやアスリート選手のセカンドキャリアに変革をもたらそうと日々邁進されています。介護業界としては、とても嬉しい取り組みですね。 

介護系企業で広報をつとめている「小野真由美」さん 

出典:小野真由美さん公式Instagram より

ホッケー選手の小野真由美さん。2008年北京オリンピックと2016年リオデジャネイロオリンピックに日本女子代表として出場したトップアスリート選手です。2018年のアジア大会では優勝に貢献しています。現在はSOMPOケア広報部で働くかたわら、慶応義塾大学女子ホッケー部のコーチもつとめており、自身も2021年東京オリンピックの出場を目指すなどいまだに現役として活躍されています。

SOMPOケアは有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホーム・居宅サービスに関わっている企業です。小野真由美さんは広報部として介護施設を訪問して取材をしたり、1日施設長をつとめたりと日々介護の仕事に取り組まれています。トップアスリート選手が介護業界で働くのは、企業や介護業界にとても良いことで、イメージアップにもつながるんです。

小野真由美さんは、超高齢化社会の問題に直面しているのを実感していると語っています。また、お年寄りの目線に立ってものごとを考えられるようになり、それが自分の生活に役立っているとも語っています。 

まとめ 

介護にたずさわるアスリートを2名ご紹介していきました。
お二人ともセカンドキャリアに介護という道を選んでおり、スポーツの経験をいかして活動されていました。こういったトップアスリートがもっともっと活躍して、介護業界に良いスポットライトが当たると嬉しいですね。

2021年1月8日公開/2024年4月1日更新(ひょうご介護アナウンス編集部)